ジンベイザメ

 

 

 

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ジンベイザメ

 こんにちは!意舞真愛菜です。
今回の奇跡は、
「ミラクルルール2、奇跡は準備されたものにやって来る」
ジンベイザメのお話です。

2011年9月、モルディブ、私達は、ジンベイザメとランデブースイミングをしました。思いがけない並走ならぬ並泳で、もうすごい感激でした。

はじめから、寄り道しますが、
実は、これを書くために当時の写真を探しました。でも当時、あまりのうれしさと、ジンベイザメをしっかり肉眼で見て心に焼き付けたいと思いながら泳いでいたので、まともに写真を撮ってなくて、わずか1枚、やっとありました。ジンベイザメが去る時、水深の深いところに潜ってゆく後ろ姿です。イマイチな画像ですがその時の本物写真です。

もう一つ写真探しでわかったことはそれが2011年だったことです。

今2021年現在で、モルディブから10年も経っているのに驚き、また出てきた写真で過去を振り返って、2011年は、様々な出来事があって、これも、あれも2011年だったの?と驚いています。

東北大震災があまりに強烈な印象だったので、他の事が、まるで、他の年の出来事だったように考えてしまいます。

被災された方々には、あまりに凄まじい状況で言葉も出ませんでしたが、涙をこらえて、力強く、協力しあって復興されてきたことに本当に感動致します。
10年たった今でもご苦労されている方々には心からお見舞いもうしあげます。

では、話はモルディブに戻ります。

2011年夏、私はグレートバリアリーフへ一人旅を計画していました。飛行機やホテルを予約しようと思っていた矢先、いつも利用するダイビングショップのイントラ、Fちゃんから、「モルディブツアー、行きましょうよ」と誘われました。
実は、このFちゃんの女ひとりグレートバリアリーフ武勇伝を聞いて、計画していたのに、なんとも不思議な縁です。それで、行き先変更、グレートバリアリーフは申し込まずに、モルディブ行きが決まりました。

ヒンズー教徒、回教徒らしき人達の行きかう独特な雰囲気の空港で乗り継ぎ、モルディブに着くと、空港の目の前はもう海でした。
そこに私達が宿泊する船のスタッフが待っていて連絡ボートに乗って、宿泊船に向かいました。
白い素敵な宿泊船は定員50名位だったと思います。そこを私達、総勢十数人で貸し切りです。私は3人部屋を1人で使う贅沢なクルージングのはじまりでした。食事もおいしくて新鮮でした。

普段、私達はダイビング器材のセッティングは自分たち自身で行います。
ここでは、至れり尽くせり、殿様、お姫様ダイビングですべてスタッフが準備してくれました。

とにかく、美しい景色ばかり、海もすごく綺麗なミントグリーンで、陸からの桟橋からのびた先にある複数の海上コテージはカレンダーの写真のように美しく岸に沿ってそのコテージの景観が続いていました。

ダイビングの合間は船の屋上デッキで、暑い日差しの中、帽子をかぶり、サングラスをして、みんなでジンベイザメ探しをしました。
ついに、ジンベイザメ発見!私たちはシュノーケル、フィン、マスクをして小舟に乗り移り、ジンベイザメの近くで行くとそれぞれ、すぅ~と静かに小舟から海へ入り、ジンベイザメのところへと泳いでゆきました。

私達のチームが最初でした。体調3~4mの小柄なまだ子供かもしれないジンベイザメと一緒に泳ぎました。
ジンベイザメは私達が一緒に泳いでいるの知ってか知らずか、ゆったりと泳いでくれるので私達もついていきました。
ゆったりと泳いでいるのは、きっとジンベイザメの方も私達に興味があってのことじゃないかと思えました。子供のジンベイザメならそういうこともあるとからです。

少しすると他の船のチームがやってきて小舟からドボン!ドボン!と10名位の人が海中に落ちてきます。落ちてきた、私達から見ると金髪や茶髪の「外国人」の男女は、一緒にジンベイザメと泳ぎますが、1人、また1人とついていけなくなり、集団からいなくなってゆきます。

私達のチームだけでしばらくジンベイザメと泳いでいるとなんと、ジンベイザメの行く斜め前に先程の人達が、ドボン、ドボンと、また落ちてきます。
「ジンベイザメを驚かさないで~」と祈りつつ、ジンベイザメが大丈夫な様子にほっとします。

ドボンの人達が、ジンベイザメスイミングに再び合流したのも、つかの間、彼らはすぐいなくなってしまいます。そして、またモーターボートで前に運ばれてドボン!そんなことが3度も繰り返されました。
私達のチームは、ずっとジンベイザメと一緒に泳ぎました。
最後は、水深の深い所へジンベイザメは消えて行ってしまいました。
エアタンクはないのでそこまででした。ジンベイザメは見ていませんでしたが、私達は潜って行くジンベイザメに手を振ってお別れしました。

ドボンと落ちてくる人たちが来た時は、私達はピックアップの小舟に拾われているところでした。それを見て彼らも自分たちの船に帰って行きました。

船に戻って、私達はジンベイザメと一緒にたくさん泳げて、感激の会話で盛り上がっていました。
船のスタッフに聞くとジンベイザメと一緒に泳いでいた時間は30分余りだったそうです。

その30分に私達チームにひとりの落伍者もでなかったのは、実はこのツアーを企画したショップのおかげです。

ショップのオーナーの考えで、「せっかく素晴らしいところに行って力不足、技術不足で見られるものが見られなかったらはもったいないでしょ!」と、それなりのワザが必要な場所、例えば、与那国島、神子元島、小笠原のマグロ穴などに行く前に、プールでトレーニングするし、ライセンスのランクアップトレーニングもしっかりとした実力本位のものだったで、脚力も技もいつの間にか身に付いていたのだと思います。

それに海の動物を驚かさないように海に入るのも、御蔵島で、イルカ達のためにそぉ~と入る事を何度も経験してきているからです。

それも、ショップの年間予約が御蔵島に入っていて、その予約はすぐ埋まるほどの人気で、キャンセル待ちしてでもショップのメンバーは行くので、そういうマナーが自然に身についているのだと思います。それは、動物と心を合わせるのに大切なことです。

今回のジンベイザメもそういう理由もあって、警戒されずに一緒に泳いでくれたのだと私は思いました。
チャンスは準備の出来たものにやって来るといいます。上記のようなことが、すべて、ジンベイザメと泳ぐ準備になっていたのだと思います。

また、先日、アップした「宮古島のイルカ」の時も、船長に言ってすぐ海に行けたのもそういうショップでの場数を積んでいたからだと思います。

10年の年月で、いつの間にか、ショップに行かなくなってしまいましたが、今でも、その頃の事を思うと感謝でいっぱいです。
経験は宝物ですね!

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おまけの話
モルディブ最後の夜、無人島に用意されたパーティ会場です。
そこには、スタッフ手作りの砂で作ったジンベイザメが横たわって、キャンドルでライトアップされていました。
2021年の今この写真見て、これこそ、見事な奇跡のジンベイザメだと思いました。
この後、突然の大雨で、みんなでぬれねずみになってしまいましたが、じつは、その大雨こそ、次なる奇跡の予兆だったのでした。
その奇跡はまたの機会に、乞う、ご期待!