被災地の天の川

被災地に輝く夜空の宝石、天の川

 

こんにちは!意舞真愛菜です。

 

今回の奇跡は、夜空、天の川のお話です。

普段、都会に住んでいると、空を見上げても、あまり星は見えないかもしれません。

あなたは、綺麗な天の川の姿を(ナマで:自分の目で)見たことありますか?

 

星が見えなくて想像した話

 実は、昨年、私はマンタを見たくて、Go toトラベルを利用して、石垣島にダイビングに行きました。

その時、「星空観賞クルーズ」も申し込んだのですが、残念ながら、フィリピン辺りの台風の影響で天気と海に恵まれず、マンタポイントには行けず、マンタなしのダイビングとなり、(それはそれなりには楽しかったのですが、)星空観賞も空が厚い白い雲に覆われ、海の上、クルーザーのデッキで乗客全員一緒に曇り空を見てイメージする「見えたらこの辺と想像する星空観賞ツアー」になってしまいました。

帰りの飛行機に乗るときに、「マンタと本物の星空を見るために再度、石垣島にリベンジに来る!」と決めました。

 

うまくいかない時に

 このように、どうしても、うまくいかないこともありますが、そんな時に私は次の機会に期待をするか、うまくいかない中での良いこと探しをすることにしています。

この時の良い事は、インドに魅せられて古民家でインド風のインテリアと中庭の植物を利用した素敵な盛り付けをする本格的なインド料理の店を切り盛りする二人の女性の店でその雰囲気を楽しみながら食事が出来たことでした。

 

本物の素晴らしい感激の星空を観た話

 

「わあ!すご~い!」と思わず感嘆の声をあげてしまうような、美しい天の川を私は4回見たことがあります。

1つ目は、父島に向かう小笠原丸の船上と父島での小笠原ツアー中、連日見えた天の川、そのうちの一晩はツアー仲間のダイバーたちと一緒に、展望台から現地ガイドの星の説明を聞きながらの和気あいあいと星観賞しました。

 

2つ目はモルディブのホテル兼クルーズ船のデッキで夜中にリクライニングチェアにリラックスして見た輝く天の川の星空。

 

3つ目は、ハワイ島のマウナケア(富士山級の高山)に入山を許可されたツアー会社の車で、高山病にならないように休憩を取りながら体を慣らしながら、登って行き、雪の頂上で美しいサンセット(日の入り)を防寒着に身を包んで寒さに震えながらみた後、ちょっとだけ下った駐車場にツアー客3組みんなで防寒着のまま寝転んでツアーガイドの星の説明を聞きながら観賞した、ピリリと澄んだ寒い夜空に散りばめられた星々です。

 

そして、4つめは2011年5月、真っ暗な岩手県の空に輝く夜空です。

 

震災2か月後の被災地

 私達は車3台と1台のトラックで被災地の海底清掃をするために参加したボランティアダイバーです。総人数は、十数人だったかと思います。

震災の2か月後、被災地に入って、私たちはあまりにすごい状況に言葉を失いました。

骨組みだけが無惨に残った建物、その骨組みの鉄骨にぶら下がっている、様々のものの切れ端。

山とつみあげられた残骸、放置された壊れた車や、街中で車の上に乗り上げた大きな漁船、傾いたまま海に浸かっている家、残骸の中にトイレの便器だけが残っている住宅の跡、すべては津波が凄まじかったことを語っていました。

すれ違う車のフロントガラスには合言葉のように「頑張ろう」の文字がありました。

すべてが流された住宅跡で葉っぱもなく、杭のようになってしまった木にポツンと一輪、紅く咲く椿の花がとてもけなげで印象的でした。これも一つの奇跡です。

 

私たちが滞在中お世話になった5階建てのホテルもエレベーターの扉がグニャグニャに曲がって大きな穴があき、1階、2階はめちゃめちゃ、食事は外で仮設のデッキのような板敷の上で、それぞれがヘッドライトつけて、蚊に刺されながらバーベキュー。外トイレと並べて庭に設置された仮設のお風呂に順番に入浴して、無事だった3階以上の客室の広い女子部屋に確か5人と男子部屋3室に男性が分かれて泊まりました。

 

現地の漁協の人やホテルの女将さんやスタッフの人達は一見すると気丈にしているのですが、ちょっとした会話でとても涙もろく大変な状態で頑張っているのがわかりました。

 

電気はまだ復旧してなくて、たぶん発電機を回していたように思います。記憶があいまいですみません。

とにかく、外は暗くて、ホテルの周りは真っ暗で、たまに、車のヘッドライトが遠くに見える程度だったと記憶しています。

夜、誰かがあまりに綺麗な星空に気付いて、散歩に誘ってくれて、約7人でホテルの明かりから離れ、少し歩いた道路の真ん中にみんなで仰向けに転がりとても綺麗な天の川とその周りの星々を観賞し、星に詳しい人が、星の名前や星座の形、物語を語ってくれました。

地上が大変なだけに、この地の夜空の宝石は奇跡、自然からのプレゼント、この地への応援メッセージのようにも思えました。

これが今回の奇跡、天の川です。

 

おまけの話

 私達はすれ違った車のように「がんばろう!(被災地に向けたメッセージ)」の文字のおそろいの白いTシャツを着てきて道路に転がっていました。すると、暗がりをトコトコと近づいてくる軽四輪のエンジン音が聞こええてきました。

距離はまだありましたが、軽四輪が急に止まり、ドライバーはギョッとしたのがなんとなくわかりました。

私達、白いTシャツのグループは起き上がりました。「死体でも幽霊でもありませんよ。生きてますよー、驚かしてごめんなさい」と。

軽四輪はゆっくりと私たちの前を通り過ぎて行きました。